ファイナンスとは、お金の流れと管理に関する活動全般を指す言葉です。
ファイナンスは、事業活動を正常に運営していくためにとても重要となります。
ここでは、ファイナンスの基本や具体例について、MBAホルダーである弁護士がわかりやすく解説します。
ビジネスパーソンの方々のご参考になれば幸いです。
ファイナンスとは
ファイナンスとは、お金の流れと管理に関する活動全般を指す言葉です。
具体的には、個人、企業、政府などが、資金をどのように調達し、投資し、管理していくかというプロセスに関わります。
ファイナンスは、経済活動の血液とも言えるほど重要な役割を担っています。
ファイナンスの種類
ファイナンスは、対象や目的によっていくつかの種類に分けられます。
主なものとしては次の3つがあります。
コーポレート・ファイナンス (Corporate Finance)
コーポレート・ファイナンスは、企業の資金調達、投資決定、資本構成、配当政策、M&A(合併・買収)など、企業に関わるものをいいます。
パーソナル・ファイナンス (Personal Finance)
パーソナル・ファイナンは、個人の家計管理、貯蓄、投資、住宅ローン、保険など、個人に関わるものをいいます。
公共ファイナンス (Public Finance)
公共ファイナンスは、政府や地方公共団体の財政運営、税収、予算、公共投資、国債発行など、公共部門に関わるものをいいます。
企業におけるファイナンスの活用シーン
企業経営の中でファイナンスの考え方はどのような場面で使われるのでしょうか。
代表的な場面である、企業価値の算定についてご紹介します。
ファイナンスで学ぶことは、「もの」の価値を評価して価格をつける技法です。
金銭に換算する技法には、大きく分けて、次の3つがあります。
原価法
取得したときの価格から計算する。
取引事例比較法
最近の売買事例を参考にして評価する。
収益還元法
将来の収入から計算する。
上記のうち、ファイナンスでは、収益還元法を基本の考えにしています。
ビジネスパーソンは、このファイナンスの考え方を身につけることで、
・特定のプロジェクトを実施するべきか否か
・ある企業の買収を検討した際に、いくらで買収すべきか
・資金の調達、資金の使い方、リスク管理の仕方によって、どうすれば企業価値を高めることができるか
などの事象に対して、適切な意思決定ができるようになります。
キャッシュフローの現在価値
ファイナンスでは、「今日の 100万円は、1年後の 100万円よりも価値がある」と考えます。
なぜなら、100万円が今、手元にあれば、運用し、利益が生まれるからです。
例えば、年率1%の利子率で銀行預けると、1年後には 101万円です。
また、5年後には、福利で計算されるので、105万1000円となります。
100万円 × 1.01 × 1.01 × 1.01 × 1.01 × 1.01 ≒ 100万円 × 1.051 = 105万1000円
つまり、今日の 100万円は、5年後の 105万1000円と同価値と考えます。
このとき、105万1000円を5年後の 100万円の「将来価値」(FV:Future Value)と言います。
そして、100万円のことを、105万1000円の「現在価値」(PV:Present Value)と言います。
また、現在価値に割引計算する際の利子率のことを、「割引率」(ディスカウント・レート)といいます。
割引率 (discount rate) が年利 r である場合、t 年後に受け取る Ct 円の現在価値 (PV) は、次の式で算出できます。

をディスカウント・ファクター (discount factor) と言います。
キャッシュフローを計算する書式について、こちらからダウンロードできます。