弁護士コラム

あなたの会社はいくらですか?-企業価値の算定-

ファイナンス
執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

保有資格 / 弁護士・MBA・税理士・エンジェル投資家

会社企業が保有している資産、人材、ブランド、商品、知名度など、人によって様々な答えがあると思います。

しかし、ファイナンスの世界では、企業価値を次のように定義されることがあります。

企業価値(EV)=株式時価総額+ネット・デット※

EV:Enterprise Value
※ネット・デット:実質有利子負債—現金及び現金同等物

例:デイライト株式会社の発行済株式数は100万株、株価が100円、貸借対照表上の現金が400万円、短期借入金が500万円、長期借入金が1000万円の場合の同社の企業価値

株式時価総額は、1億円(100円☓1000万株)です。
ネット・デットは、500万円+1000万円-400万円=1100万円

したがって、

企業価値は、1億円+1100万円=1億1100万円

となります。

 

ここで、企業価値を算定するのに、なぜ借入金などをプラスするのか、不思議に感じると思います。

これは次のように考えてください。

あなたがもし、デイライト株式会社を買収しようとする場合、トータル、いくらが必要となるのか。

まず、株主に支払うお金は、時価総額の1億円でいいはずです。

株主に1億円支払えば、デイライト株式会社の支配権はあなたのものです。

しかし、デイライト株式会社には、他に貸付をしている債権者(銀行)というステークホルダーがいます。

あなたは、いずれこの債権者に返済しなければなりません。

 

買収のような場面では、結局いくら支払うこととなるかを把握することが重要です。

そこで、支払うこととなるトータルの金額を把握するために、ネット・デットをプラスするのです。

 

このように、企業価値の算定は、上場企業の場合、マーケットが価格をつけてくれるので、簡単にできます。

問題は、非上場会社の企業価値の算定です。

 

 

いろんな手法がありますが、オーソドックスな手法として、DCF法があります。

このDCF法は、企業価値を将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計に等しいとする方法です。

DCF法で企業価値を算定する方法について、詳しくはこちらをごらんください。

 

 


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